光の死に場所

• 05/19/22:50

久しぶりに夢を見た
やっぱり夢はモノクロで。色がなかった
昔よく見た夢で、すぐにあぁ、夢だなこれ。と認識出来る夢
徐々に目が見えなくなる夢
黒いフィルターを少しずつ被せて行くように
どんどん黒く。暗くなってく夢


その夢の結末はいつも同じ
何も見えなくなった時に手首を何度も切り裂いていって
絶望を歌いながらくたばる寸前に目を覚まして
自分の手が見えることと、世界が色を持った現実であることを確認して頭を抱える

でも今日はいつもと違ったんだ
探してもナイフが見当たらなくて。死ねない
手探りで。ペンをひとつ見つけたんだ
目の前に壁があるのを知って。そこにペンを走らせた
イメージ。頭の中で絵が出来上がってくイメージ
目には何も映らない。目が見えないってのは最悪だ。早く死にたい
そう思いながら。孤独を歌いながら絵を描き続けた
きっとそこに出来てるのは福笑いのような絵なんだろうけど
俺の頭の中では誰かさんの似顔絵が出来ていた
完成したはずの絵を見ることが出来なくて。やっぱり死にたくなった俺に誰かが触れて

「こんなに可愛くはないですよ？」

と。笑ったのが、確かに聞こえた瞬間に
視界が晴れて。世界が色を取り戻して
目の前の壁にその誰かにちゃんとそっくりな絵が出来てるのを見つけて
似てない。美化されてる。と笑ってるそいつが傍にいるのもちゃんと見えて


いつもより数倍穏やかに目を覚まして
色のある世界と。隣で寝てるあいつが、いない現実をちゃんと確認して
頭を抱えて。少しだけ泣きそうになったら
間違ってない、と呟いて
笑いながらついた溜息が白くて
窓開けっ放しで部屋がすげぇ寒いことに気づいたら
布団被り直して
あの夢の続きくらい見させてくれ
そんで今度目を覚ましたら

溝色の現実に還るから

• 01/30/23:36
• 暗めの文章
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