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光の死に場所

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  • 05/20/01:04

リアル

そこはお気に入りの場所だった。7階建てマンションの屋上
最近そのマンションの周りに。10階、20階とかいう高層ビルが立ち並んで
急に見晴らしが悪くなった。だからそこから別な場所を目指す事にした

最期の場所に。相応しくないから

目を瞑ると蘇る。瞼の裏、鮮やかに。気持ち悪いくらい
コンクリートの箱の中みたいな。不気味な部屋
線香臭いそこで寝てる君の顔には、冗談みたいに白い布

そこは嫌なにおいがした
錆び、朽ちて、焼かれ、溶けていく
鉄のような
病み、堕ちて、腐り、消えていく
私のような

この世の全てのような
饐えたにおいがして

目を 逸らした

「これから死ににいきます」
届かないメールを送り終えて
お気に入り「だった」マンションの屋上でぼんやり

誰もが同じ目をして
誰もが同じ言葉を吐いた
大変でしたね。不運だった。お気の毒に
定型文なんか聞かせれても答えようがない

気を落とさずに?元気出して?あいつの分まで生きようとか?
なら、お前がやってみろ

前なんて向けやしない
ただぼんやりとした空虚な時間の中は
饐えたにおいがして
目を 逸らした

空が橙色になり始めてるの気づいて
階段を2段飛ばしで駆け下りて、マンションを飛び出した
そのまま気が遠くなるほど続く緩やかな坂道を全速力で
続く階段を駆け上って、急な坂も
その辺りで限界が来てゆっくり歩いた
この町の一番上にある、丘の上。もう山と呼んでもいいかもしれない
そこには展望台でも作ってよさそうな。お気に入りの場所がある

いつだったか、君と夕陽を眺めたあそこだよ?覚えてるよね?

酷い声で呟いて。辿り着いた、私の聖域
空は、まるでこれが世界の終わりだと
そう語っているような。真紅
焼き尽くされた空を見ながら。いつの間にか泣いてた

空が誘う
現実は饐えたにおいがして
留まっていられない
ここから飛んだりしたら。もう泣かなくていいかもしれない
そんな甘美な誘いから でも、目を逸らした

「それ」はとても綺麗で、暖かくて
君の声が聞こえた気がして
もう、見ていられないのに
私は笑って。手を広げて

いつか「そこ」まで私も行くんだ
そしたら伝えたいことがある
笑えない現実なんてなかった
白い布を取り去って現れた君の顔が
とてもまぬけな面構えだったこととか
まともに生きてから。伝えようと思った

届かないはずの返信は
「てきとうに笑い飛ばして生きればいいんじゃない?」

そういうのが現実なんだって、知ってるけど
とりあえずあんまりなので、殴り飛ばしてやる為に

饐えたにおいがする、この世界で
前を向いて、目を開けて
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